JISによらない機械製図

JISの機械製図に規定されていない描き方の説明と、偏見的な解説をしています。

2020-01-01から1年間の記事一覧

ばね製図

ばね製図 JIS B 0004 適用範囲 この規格は、ばねの図示方法及び設計・製作仕様の表示方法について規定する。 備考 ばね及びばね要素は、他の機械要素部品と異なり、所定の力を作用させたとき の寸法又は所定の寸法にしたときの発生力を指定して設計…

歯車製図(2)

歯車製図(続き) JIS B 0003 歯車の図示 部品図の要目表及び図の記入事項 歯車の部品図は、要目表及び図を併用し、それぞれの記入事項は、次による。 a) 要目表には、歯車諸元を記入する。必要に応じて、加工、組立て、検査などに関 する事項を記入す…

歯車製図(1)

歯車製図 JIS B 0003 適用範囲 この規格は、一般の機械に用いる次の8種類の歯車製造のための製図について規定す る。 なお、この規格は、歯車特有の事項について規定したもので、歯車の図面に含まれる 一般事項については、 JIS B 0001、JIS B 0021…

製図ーねじ及びねじ部品ー第2部:ねじインサート 第3部:簡略図示方法

製図ーねじ及びねじ部品ー第二部:ねじインサート JIS B 0002-2 図示 ねじインサートの実形図示 ねじインサートの実形図示(図省略)は、たとえば、カタログの中でのように、図解 のためだけに使用すべきで、製図には使用を避けるのがよい。 通常…

製図―ねじ及びねじ部品―第1部:通則

製図ーねじ及びねじ部品ー第一部:通則 JIS B 0002-1 この規格はねじの製図に関することである。 ねじに関する一般的な規格は例えば、B 0123 ねじの表し方 B 0205 一般用メートルねじ、などがある。 図示 ねじの実形図示 ある種の製品技術文書(…

外形図の寸法の表し方、照合番号、図面の訂正・変更

外形図の寸法の表し方 外形図は、横方向、奥行き方向及び高さ方向の寸法並びに据え付け・取り付けに必要 な寸法を指示する。 外形図の寸法の指示例 機械製図における外形図は、たんに対象物の外形を描いたものではなく、据え付け、 取り付けの機能面を含む寸…

寸法記入方法(7)鋼構造物などの寸法表示,他

鋼構造物などの寸法表示 鋼構造物などの寸法表示は、次による。 a) 鋼構造物などの鋼構線図で格点間の寸法を表す必要がある場合には、その寸法は 部材を示す線に沿って直接記入する。 b) 鋼構線図には、部材を示す線は重心線であることを明記するのが良…

寸法記入方法(6)穴の寸法の表し方 キー溝の表し方

穴の寸法の表し方 穴の寸法の表し方は、次による。 a) きり穴、打抜き穴、鋳抜き穴など、穴の加工方法による区分けを示す必要がある 場合には、工具の呼び寸法又は基準寸法を示し、それに続けて加工方法の区別を、加工 方法の用語を規定している日本工業規…

寸法記入方法(5)寸法補助記号(続き)

寸法補助記号(続き) 球の直径又は半径の表し方 a) 球の直径又は半径の寸法は、その寸法数値の前に寸法数値と同じ文字高さで、球 の記号SΦまたはSRを記入して表す。 b) 球の半径の寸法が他の寸法から導かれる場合には、半径を示す寸法線及び数値な …

寸法記入方法(4)寸法補助記号

寸法補助記号 寸法補助記号の種類 寸法補助記号の種類及びその呼び方は、下表による。 寸法補助記号の種類及びその呼び方 各記号についての説明はJIS規格ではないようなので以下に述べます。 Φ: もともとは下図のような直径を意味する図形の簡略形だとい…

寸法記入方法(3)寸法数値 寸法の配置

寸法数値 寸法数値は次によって指示する。 a) 長さの寸法数値は、通常はミリメートルの単位で記入し、単位記号は付けない。 b) 角度寸法の数値は、一般に度の単位で記入し、必要がある場合には、分及び秒を 併用してもよい。度、分、秒を表すには、数字…

寸法記入方法(2)寸法線

寸法線 寸法線は、次による。 a) 寸法線は、指示する長さ又は角度を測定する方向に平行に引き、線の両側には端 末記号をつける。 なお、一枚の図面の中では、後述する g)3)の規定による場合を除き、下図 端末記号の例の a)b)及びc)を混用しては…

寸法記入方法(1)一般事項・寸法補助線

一般事項 一般事項は、次による。 a) 対象物の機能、制作、組み立てなどを考えて、図面に必要不可欠な寸法を明りょ うに指示する。 機能、加工、組み立てなどを考えられないと寸法の記入はできないか。 図面を作成してから、どのように加工するのか検討す…

特殊な図示方法

二つの面の交わり部 二つの面が交わる部分(相貫部分)を表す線は、次による。 a) 交わり部に丸みがある場合に、対応する図にこの丸み部分を表す必要がある場合 には、下図のように交わり部に丸みがない場合の交線の位置に太い実線で表す。 交わり部の例 …

図形の省略

一般事項 図示を必要とする部分を分かりやすくするために、次のように示すのがよい。 a) かくれ線は、理解を妨げない場合には、これを省略する。 かくれ線の省略例(B矢示部) b) 補足の投影図に見える部分を全部描くと、図がかえって分かりにくくなる…

断面図(2)

断面図(2) 回転図示断面図 ハンドル、車軸などのアーム及びリム、リブ、フック、軸、構造物の部材などの切り口は、次のように90°回転して表してもよい。 a) 断面箇所の前後を切断して、その間に描く。 破断して断面を回転図示する例 破断面は前述の部…

断面図(1)

断面図(1) 一般事項 a) 隠れた部分をわかりやすく示すために、断面図として図示することができる。断 面図の図形は、切断面を用いて対象物を仮に切断し、切断面の手前の部分を取り 除き、前述の ”投影図の表し方” に従って描く。 b) 切断したために理…

図形の表し方

投影図の表し方 一般事項 a) 対象物の情報を最も明りょうに示す投影図を、主投影図又は正面図とする。 b) 他の投影図(断面図を含む。)が必要な場合には、あいまいさがないように、 完全に対象物を規定するのに必要、かつ、十分な投影図及び断面図の数…

尺度

尺度 尺度はA:Bで表す。 A:描いた図形での対応する長さ B:対象物の実際の長さ 現尺の場合にはA:Bをともに1、倍尺の場合にはBを1、縮尺の場合にはAを1として示す。 例1 現尺の場合 1:1 例2 倍尺の場合 5:1 例3 縮尺の場合 1:2 よく使われ…

投影法

投影法とは物体に光りを当てて影を映し出す手法のことである。 製図の分野では三次元の物体を二次元の平面上に表現する技術で、その他の分野では数学や物理学はもちろんのこと、心理学でもその言葉は使用されている。 空間を四つに区分けしたものを第一象限…

矢示法、その他の投影法

矢示法 機械製図では、矢印を用いて様々な方向から見た投影図を任意の位置に配置できる。 よく見かけるのは、”A矢視“ と記入してあるもの。矢印と大文字のラテン文字(前に述べた線と文字の項参照)でよいのだが、余計なものをつけてさらに矢示と矢視と誤用…

線と文字

線 線の太さの基準は、0.13mm、0.18mm、0.25mm、0.35mm、0.5mm、0.7mm、1mm、・・・・・である。 外形線に使われる太い実線と寸法線に使われる細い実線の線の太さの比率は2:1にする。同じ太さで描いてしまい印刷時に変換し忘れてそのままな…

図面の大きさ、および様式

用紙のサイズ 原図には、必要とする明りょうさ及び細かさを保つことのできる最小の用紙を用いるのが良い。と規定されている。 規定されなくとも、FAXやメールで図面をやり取りすることが多い今は、先ずA4に収まるかどうかを考えるのが普通。少々無理でもA…

はじめに

JISは定期的に改訂され、機械製図においても2010年の改定で寸法補助記号の Φ(まる)の読み方に ”ふぁい” が追加された。 PCで素早くΦ記号を表示するために、ギリシャ文字のφを代用していたのだが、呼びまで”ふぁい”も認めるということであろうか。 し…