尺度
尺度はA:Bで表す。
A:描いた図形での対応する長さ
B:対象物の実際の長さ
現尺の場合にはA:Bをともに1、倍尺の場合にはBを1、縮尺の場合にはAを1として示す。
例1 現尺の場合 1:1
例2 倍尺の場合 5:1
例3 縮尺の場合 1:2
よく使われているのは、現尺の場合そのまま”現尺”と記入。または 1/1を記入。
倍尺の場合 X2 X5 X10 あるいは 2/1 5/1 10/1
縮尺の場合 1/2 1/5 1/10
ではないだろうか 。
のようにも記入される。
規定どうり比率で記入するのは少数派か。
これは以前の規格でこのように表示されるようになっていたからである。
図面を描くときに、JIS規格は見ない。現在ある図面を見て描く。したがっていつまでも古い規格のものが描かれてしまう。表題欄の尺度の欄そのものが横長にはなっておらず比率を書き込むには不適切のままになっていることもあるか。
尺度の値は 倍尺の場合 2:1 5:1 10:1 ・・・・・ 50:1
縮尺の場合 1:2 1:5 1:10 ・・・・・ 1:10000
推奨値なので 2.5:1 4:1 1:2.5 1:4 などの尺度を使用してかまわない。
1枚の図面にいくつかの尺度を用いる場合には、主となる尺度だけを表題欄に示す。そのたのすべての尺度は、関係する部品の番号(例えば①)または詳細を示した図(または断面図)の照合文字(例えば、A部)の付近に示す。
参照図は示されていないので、下図のようになるか。
図形が寸法に比例しない場合には、その旨を適切な箇所に明記する。
「NTS」(Not to SCALE)や 「Free」などと表記されることが多いようである。
NOT to SCALA は訳すると、秤にしない、製図の場合長さになるので、物差しにしない、となるか。寸法が縮尺とちがうこととは多少ニュアンスが違う気もするが、英語では均一の縮尺でない場合、縮尺という概念なしで作成されている場合はこう言うらしい。
Freeは、自由に描いてますという意味だろうが、国外で通じるかどうかは疑問。
寸法が比例しない旨、とはどう表現するか、規定しておいてよいと思うが。
しかし、最後に、なお、これらの尺度の表示は見誤るおそれのない場合には、記入しなくてもよい、とある。したがって、これらが、全部の尺度のことか、詳細を表した部分の尺度なのか、どの範囲までを指しているのか明確でないが、表題欄の尺度の欄にどのように記入するか迷ったときは、横線を引いておくだけで充分である。
小さい対象物を大きい尺度で書いた場合には、参考として、現尺の図を描き加えるのがよい。この場合には、現尺の図は簡略化して対象物の輪郭だけを示したものでよい。
実際には、ほとんど描かれていない。下手に書き加えると紛らわしくなるだけである。輪郭だけ描いていてもほとんど意味はないと思う。