JISによらない機械製図

JISの機械製図に規定されていない描き方の説明と、偏見的な解説をしています。

製図-輪郭の寸法及び公差の表示方式

  製図-輪郭の寸法及び公差の表示方式

      JIS B 0027

序文 省略

1. 適用範囲 この規格は、線である部分の輪郭(profiled outline)及び面である部分の

輪郭(profiled surface)の寸法及び幾何公差の表示方式について規定する。

  備考 この方式は、JIS  B  0021  の中に"線の輪郭度公差" 及び "面の輪郭度公差"として示してある。

2. 引用規格 省略

  備考 省略

3. 寸法記入方法 輪郭に寸法を記入する場合には、3.1又は3.2に示す方法による

のがよい。

3.1 連続する円弧の半径及び必要な寸法は、曲線のそれぞれの要素に記入する(図1

参照)。

3.2 輪郭が通過するべき、連続した複数の点の直交座標又は極座標を記入する(図2

参照)。

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3.3 3.1又は3.2に示す方法とともに、フォロアに関係付けて寸法を示すのが望ま

しい。その場合には、寸法aを図面上に指示する(図3参照)。

4. 輪郭度公差の表示 輪郭に公差を指示する場合には、4.1又は4.2に示す方法に

よるのがよい。この場合には、実際の輪郭は、指定された公差域内になければならな

い。

4.1 線の輪郭度公差の表示 線の輪郭度公差の公差域は、"真"の輪郭、すなわち、

理論的に正確な寸法を用いて明確にした輪郭を基準に決める。公差域は、真の輪郭の両

側に等しく配分する。

 真の輪郭をなす線に対する法線方向の公差域の幅は、すべての位置で等しい(図4

図5参照)。

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公差域がデータムに関連する場合には、図5の例による。

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4.2 面の輪郭度公差の表示 面の輪郭度公差の公差域は、"真"の輪郭、すなわち、

理論的に正確な寸法を用いて明確にした輪郭をを基準に決める。公差域は、真の輪郭面

の両側に等しく配分する。

 真の輪郭をなす面に対する法線方向の幅は、すべての位置で等しい(図6参照)。

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参考文献(参考) 省略

備考 2項目省略

 

 この規格は、JIS B 0025 と同じく、JIS B 0021 に規定する、線の輪郭と面

の輪郭の寸法及び幾何公差方式を詳しく規定したものであろうか。

 JIS B 0025 の位置度公差方式よりは、複雑でないためか単に表示方式について規

定するとなっている。

 注意すべきことは、公差域は真の輪郭の両側に等しく配分する、となっていることで

ある。片側のみの公差域にしたい場合は、基準線の寸法設定が面倒なことになる。そこ

でこのような場合には、通常どうりに寸法、幾何公差を記入して、公差枠の付近に公差

の方向を指示することにしてしまう。

 許容値は公差記入枠内の数値の半分になってしまい、誤解が生じるかもしれないが、

いたずらに細かい数値を記入するよりは良いのでは

 

 フォロアを使用する場合は、それに関連付けて寸法を示すのが望ましいとなっている

が、その理由は示されていない。一般的に、カムなどの作図はカム線図が示され、加工

及び測定のためにカム線図から導かれる輪郭形状を設計し図示する。輪郭公差は、輪郭

形状に指示する。