製図―文字―第1部:ローマ字、数字及び記号
JIS Z 8313-1
序文 省略
1. 適用範囲 JIS Z 8313 群のこの部は、製図及びそれに関連する文書で用いるロー
マ字、数字及び記号(以下、文字という。)について規定する。基本的には型板を用い
た文字に関する規定であるが、手書きなど他の方法にも適用する。
備考 省略
2. 一般事項
2.1 製図に用いる文字の基本事項は、次による。
― 読みやすい。
― 均一である。
― マイクロフィルム撮影及び他の写真複写に適している。
2.2 上記項目を満たすために、次の規定に従う。
2.2.1 文字は、たとえ少々き(毀)損していても、文字間の混同がなく、明りょうに見
分けられるようにする。
2.2.2 マイクロフィルム撮影および他の写真複写では、隣り合う2本の線の間隔、
又は、文字及び数字の間のすき間は、少なくとも線の太さの2倍とする(図、表1及び
表2参照)。隣り合う2本の線の太さが異なるときには、すき間は広い方の線の太さの
2倍にする。
2.2.3 小文字及び大文字の線の太さは、レタリングに便利なように同じにする。
3. 文字の大きさ 文字及び数字の大きさは、次による。
3.1 大文字の高さhを大きさの基準とする(表1及び表2参照)。
3.2 高さhの標準値は、次による。
2.5,3.5, 5, 7, 10,14, 20 mm
文字の高さで採用しているの比率は、用紙サイズの標準数列からとってい
る[Aシリーズは、JIS P 0138 (紙加工仕上げ寸法)による]。
参考 省略
3.3 高さh及びcは、2.5 mm 未満であってはならない。
備考 大文字と小文字の組み合わせでcが 2.5 mmの場合には、 hは 3.5 mmに
なることを意味している。
3.4 比率d/hの2種類の標準値 1/14及び 1/10は、表1及び表2示すように線の太さ
の種類が最も少なくなり経済的である。
小文字の高さ(柄部又は尾部を除く)、文字間のすき間、行間の最小すき間、単語間
の最小すき間の推奨比率は、表1及び表2による。
3.5 文字は、直立体でも、右へ15° 傾けた斜体でもよい。
4. 書体 次に示す書体は、2.及び3.で規定した原則に沿って表現する指針として示
す。様々な言語に対応する特殊文字及び特別な記号(アクセント記号及びダイヤクリテ
ィカルマーク)は例に含まれないが、この規格の規定と同じ原則によってデザインす
る。
参考 平仮名、片仮名及び漢字に対応した規格は、JIS Z 0813-10 に規定して
いる。
※ この規格は、前頁の 第0部:通則 でもあったように、手書きの文字にも適用さ
れる。前頁でもコメントしたが、手書きの場合製図者が文字のサイズの規格を気にする
必要はなく、書体なども、斜体や直立体を意識することはないであろう。
製図者が最も注意しなければならないことは、読み間違いされるような文字を書かな
いことである。例えば数字の場合の1と7である。
時間に追われるようなときは、つい個性が出てしまうことがあるので、日頃から心掛
けておかねばならないことであろう。このことは、製図に限らず、一般の文書について
も同様である。
機械製図では、文字の種類の項目に、量記号は斜体、単位記号は直立体とする、の但
し書きがつけられている。
量記号は、長さ、広さ、大きさ、などの量を文字で表したもの。例えば、電圧、電
流、抵抗の関係を表した、Ⅴ=ⅠR の式で、電圧のV、電流のI、抵抗のRがそれぞ
れ量記号である。単位記号は、長さではm、質量ではkgなどがこれこれにあたる。
機械製図では、長さの単位はmmと決められているので、上記の記号を使うことはあ
まりないはずである。しかし、記号を用いる場合は、それに合ったものを使用したほう
が理解されやすいことは間違いない。それでも別の記号を使っても全く問題はない。
量と単位については、JIS Z 8000 量及び単位 で規定されている。