JISによらない機械製図

JISの機械製図に規定されていない描き方の説明と、偏見的な解説をしています。

機械製図 線と文字 (改訂版)

        機械製図

        JIS B 0001

 

 この頁は、以前の頁 線と文字の改訂版で、線についての頁となります。文字につ

いては、次ページになります。

 


6 線

6.1 線の太さ 

 線の太さの基準は、0.13mm、0.18mm、0.25mm、0.35mm、0.5mm、0.7mm、1

mm、1.4mm 及び 2mmとする。

6.2 線の種類及び用途

 線は、線の用途によって、表5のように用いる。ただし、細線、太線及び極太線の太

さの比率は、1:2:4とする。その他の線の種類は、JIS  Z  8312  又は  JIS  Z  8321 

によるのがよい。

 なお、表5によらない線を用いた場合には、その線の用途を図面中に注記する。

 

 外形線に使われる太い実線と寸法線に使われる細い実線の線の太さの比率は2:1

にする。同じ太さで描いてしまい印刷時に変換し忘れてそのままなのか、同じ太さのも

のがある。時間がないときは、寸法さえ間違いがなければと流してしまうと、ほかに問

題がなければそのままになってしまう。見にくくわかりにくいので始めにしっかりと線

の太さを指定しておいたほうがよい。

 その他に、二点鎖線、跳び破線などが規定されているが、機械製図ではほとんど使わ

れない。

 



 かくれ線などに使われるのは破線であり点線ではない。

破線を呼ぶときに、つい点線と言ってしまうことがある。一般の人に説明するのに破線

というよりは点線というほうが理解されやすいのでそれが習慣になって、ついそのまま

使ってしまう。 点線も規定されているが機械製図の部品図では使われることはまずな

い。

 細い一点鎖線は、中心線に使われるが、簡略化して表す場合は、細い実線でよい。

細かいところは一点鎖線にする必要はないので、覚えておきたいことである。

 

 

    図例13   建築製図の図例なので省略

    図例14   電気製図の図例なので省略

 

           図6ー線の用途の図例

6.3 線の優先順位

 図面で2種類以上の線が同じ場所に重なる場合には、次に示す順位に従って、優先する種類

の線で描く(図7参照)。

) 外形線

) かくれ線

) 切断線

) 中心線

) 重心線(図6図例6参照)

) 寸法補助線(図93参照)

 優先順位により、望み通りの線種が選べない場合は、断面図を増やしたり、部分断面図を

使用したりして対処するのだが、これは製図者のセンスが出るところであり、スキルが問われ

るところである。

 出来るだけ少ない図にしておくのが良いのだが、このことはあまりこだわらなくてよい。

 図面に記入するのは、寸法補助線だけでなく、幾何公差や、表面性状がある。少ない図で

よいと思っても、後で、幾何公差や表面性状が記入できなくなってしまうことがある。そのた

めに図を少なくすることを考えるよりも、余裕があるようにしておいた方が良い。